ダイヤモンドはどうやって削る?ダイヤモンドカットの歴史や加工法
2023.08.17
ダイヤモンドは宝石や鉱物の硬さを表す、モース硬度が最高値の10を持ちます。
そのため、金属製のヤスリなどでは加工ができないだけではなく、逆にヤスリが傷ついてしまうこともあります。
では、ダイヤモンドはどのように削られるのでしょうか。
本記事ではダイヤモンドはどのように削るのか、加工方法や加工の歴史についてご説明します。
ダイヤモンドの加工方法
ダイヤモンドの加工方法はダイヤモンドで削る、レーザーを使用する、イオンビームを使用する、の3点です。
ダイヤモンドで削る
ダイヤモンドは同じ硬度を持つダイヤモンドで削ることができます。
具体的には粉末状のダイヤモンドを付着させた「スカイフ」と呼ばれる研磨機を使用し、ダイヤモンドの原石を押し当てて削ります。
削る際にはダイヤモンドの結晶面を調べ、どこをどれくらい削れば良いのかといった熟練の技術が必要です。
レーザーを使用する
照射箇所を加熱し、ダイヤモンドを炭酸ガスに変化させる性質を持つレーザーも加工に使われます。
レーザーはチェーンや糸などを通す際の穴や、中に含まれるインクルージョン(不純物)を目立たなくするための「レーザードリルホール」を空ける際にも使われます。
ダイヤモンドの加工に使われるレーザーは「YAGレーザー」と呼ばれるものです。
YAGレーザーの名前の由来はイットリウム(Yittrium)、アルミニウム(Aluminum)、ガーネット(Garnet)の頭文字を取ってつけられたもので、ほかのレーザーに比べて少ないエネルギーで照射することができます。
イオンビームを使用する
イオンの運動を活性化させるビームを照射して加工をする方法です。
ダイヤモンドを加工するメカニズムは照射されたイオンがダイヤモンドを構成する炭素原子を弾き飛ばすことで、この現象を「スパッタリング」と言います。
原石からダイヤモンドができるまでの工程
こちらでは、原石からダイヤモンドができるまでの工程をご紹介します。
1.クリービング
ダイヤモンドの原石に含まれる、インクルージョンなどの不純物を取り除く作業です。
不純物やキズがある部分を削ったり、ダイヤモンドの原石を割ったりすることで取り除いていきます。
2.ソーイング
8面結晶のダイヤモンドを2分割する際に使う技術です。
ソーイングはダイヤモンドの成長過程で生じる成長線であるグレインラインによって、切断可能な結晶の方向が限定されているため、あらかじめ見定めておく必要があります。
3.クリーニング
ソーイングで分割されたダイヤモンドを洗浄する工程です。
薬品に強い性質を持つダイヤモンドを硫酸などの薬品に漬け込み、沸騰させることで細かい不純物などを取り除きます。
4.ブラッター
クリーニングしたダイヤモンドを、完成形に近い状態まで削る工程です。
最終的なデザインと比べると粗削りではありますが、微調整を行いながら少しずつカットします。
5.ポリッシャー
石の目やカット面などに気を配りながら、最終的な形に整える工程です。
正しくカットができていないと、輝きや品質に大きな影響を与えるため、大変重要な工程です。
6.ガードル
ガードルとは、ダイヤモンドの強度を増すために作る部分で、クラウン(ダイヤモンドの上部)とパビリオン(ダイヤモンドの下部)を分ける境目でもあります。
一般的に、ガードルの部分に地金を固定するため、デザインやジュエリーによって厚みを調整します。
しかし、ガードルは薄すぎるとダイヤモンドの強度が下がり、厚すぎるとダイヤモンドの輝きに影響します。
そのため、ガードルもポリッシャーと同様に、ダイヤモンドの輝きや品質に大きな影響を与える、大変重要な工程です。
近年では最新のコンピュータが、自動でガードルを作ることもあります。
ダイヤモンド加工の歴史
みなさまが目にすることがある、美しい輝きを持つダイヤモンドは、美しく見せるためにさまざまな加工が行われました。
最初にダイヤモンドが発見されたのは紀元前7世紀ごろのインドで、当時はきらきら光る石という程度の認識だったと言われています。
その光る石に魅力を感じたヨーロッパの人々が持ち帰り、加工技術を磨きました。
当初はダイヤモンドを削る技術はないため8面体や6面体といった、カット数が少ないダイヤモンドしか製造することができませんでした。
加工方法はダイヤモンドの粉末をオリーブオイルで溶かし、徐々に削っていく方法で「ムガールカット」と呼ばれます。
14世紀になるとダイヤモンドの表面を仕上げるポイントカットが発明され、より美しい輝きを持たせることができるようになりました。
15世紀にはポイントカットを行った後、上下や左右を切断するテーブルカットが発明され、またこのころからカットの面数に関する研究がされ始めました。
12面体などの10以上の面数を持つカットが行われたのは16世紀半ばで、20世紀にはダイヤモンドの代表的なカットである「ラウンドブリリアントカット」が発明されました。
ダイヤモンドのカットは数学や光学理論によって考察されており、先述のラウンドブリリアントカットはマルセル・トルコフスキーという数学者が発明しました。
まとめ
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