海外インゴットの買取が難しい理由とは?
2023.03.03
【再確認 インゴットとは?】
インゴット(ingot)とは、金属を鋳造して作られる、通常長方形の塊状の金属原料のことを指します。
流通や貯蔵に便利な形に鋳造された金属が一定の形状とサイズになるように成型され、その後、機械的または化学的な方法で細工されて、最終的な製品に加工されます。金属の種類に応じて、インゴットは異なる形状やサイズに成形されます。インゴットは、日本語に直訳すると「金属のかたまり」という意味で、金地金、延べ棒、ゴールバーなどと呼ばれることもあります。
【金インゴット】
金インゴットとは、高純度の金を固めたもので、標準的な形状は長方形または四角形をしています。金を練り上げて板状にしたものを積み重ね、高温で溶かして流し込んで作られます。一般的には、純金999.9などの高純度の金が使われ、投資や資産保有のために販売されます。金インゴットには、サイズや重量によって異なる種類があります。また、刻印やデザインが施されているものもあり、コレクション用としても人気があります。

【海外製 金インゴット】
海外でも様々な金インゴットが生産されていますが、代表的なものとしてはスイスの「パン・スイス・リファイナリー(PAMP S.A.)」社やアメリカの「ジョンソン・マタギ・メタルズ(Johnson Matthey Metals)」社、イギリスの「ロイヤル・ミント(Royal Mint)」社などが挙げられます。
これらの企業は高品質で信頼性の高い金インゴットを生産しており、世界中で取引されています。
【日本製 金インゴット】
日本でも金インゴットは製造されています。主に、熊本県の有限会社日本貨幣製造所や、東京都千代田区の日本造幣局などが金インゴットを製造しています。その他、日本メーカーとして、三菱マテリアルや三井金属マテリアル、日立金属、住友金属などがあります。これらのメーカーは純度が高く高品質な金インゴットを製造しており、世界的にも高い評価を受けています。また、細かい重さの金インゴットや、日本の伝統文様を施した金インゴットなど、個性的な商品も多く取り揃えられています。
【ロンドン貴金属市場協会(LBMA)】
ロンドン金属市場(LBMA)とは、国際的な金市場であり、世界中の貴金属業界に影響を与える重要な機関の1つです。ロンドン貴金属市場協会(LBMA)が認定した金インゴットとは、一定の品質基準を満たし、市場で取引されることが許可されたインゴットのことを指します。
LBMA認定を受けたインゴットは、市場での信頼性が高く、グッドデリバリーバー(GDB)と呼ばれ、ロンドン・ニューヨーク・香港・チューリッヒの世界各国4大都市にて取引可能になります。
【海外インゴット買取不可の理由:密輸による問題深刻化】
海外インゴットについては密輸されることがあるため、正規のルートで輸入されたものかどうかが確認できず、本物であるかどうかが保証できないこと・「密輸品」の可能性が懸念されることが海外インゴット買取不可の要因の1つです。
また、日本国内で販売されている金インゴットには、日本の法律に基づく規格が適用されていますが、海外の金インゴットにはこの規格が適用されていない場合があります。
近年では、金の密輸や違法な持ち込みによって利益を得る犯罪行為が多発し深刻化しています。そのため2019年あたりから買取業者による海外インゴットの買取が難しくなってしまいました。
日本へ正規に金を持ち込み販売する場合は、関税を支払う必要があり、大きな儲けとなりません。
【なぜ密輸するのか?】

シンガポールや香港など多くの国では、金は非課税で取引されています。金を販売する際に消費税がかからないということです。しかし、その他の国々については、その国々の税制に従って消費税の有無が異なります。日本は課税国、「金を販売する際に消費税がかかる国」です。つまり、2023年現在では、海外で100万円で購入した金を日本では110万円で買取してもらうことができます。そのため非課税の国で安く購入した金を日本で高く売るために、密輸などの違法な持ち込みをする犯罪が後を絶ちません。
【金の密輸に対する国の対策】
1.国際協力の強化
国際的な取り締まり協力や情報共有の強化により、金の密輸を防止するための取り組みが進められています。
2.技術の導入
X線検査機や金属探知機、スペクトル解析器などの技術を活用し、金の密輸を発見するための検査体制の整備が進められています。
3.関連法規の強化
金融機関に対しては、顧客確認の徹底や資金洗浄防止法の遵守を義務づけるなど、金融取引の監視強化が図られています。
4.罰則の強化
金の密輸に対しては、罰則の強化により取り締まりを厳格化することで、犯罪者に対する抑止力を高めることが期待されています。
【まとめ】
海外インゴット買取が難しい一番の理由は、密輸による問題深刻化があげられます。
対策として国際協力の強化・技術の導入・関連法規/罰則の強化の取り組みが進められています。
正規での金持ち込みについては、海外インゴットでも問題なく買取可能です。
大小に関わらず、一度電話にてご相談くださいませ。
お気軽にお問合せ下さい。06-6224-0401
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